長野県での撮影が押したため、当初の予定より2日遅れて迎えた撮影当日は、3月下旬の庄内地方としては気温も例年になく低く、時おりみぞれが降るなど冬に逆戻りしたような天候でした。しかし冬の日本海を渡ってきた主人公が日本に上陸する場面とあって、フランソワ・ジラール監督のイメージにピタリとハマったためか、撮影は順調に進みました。
ここでは主人公の青年が鎖国中の日本に4度にわたり入国するシーンを撮影。主役のマイケル・ピットさんは、寒空の下、白い息を吐きながらエルヴェ青年の役を熱演し、ジラール監督も「ベリグー」「OK」を連発していました。
オーディションで公募された地元ファンらによる総勢50名ものエキストラも、前日からかつら合せなどを入念に行い、助監督から演技指導を受けながら、精いっぱいの演技を披露していました。
またこの撮影のため15日から庄内入りした20名ものスタッフは、撮影用のセットを仕上げるため、夜を徹して準備作業を敢行。庄内米歴史資料館の巨大な看板や倉庫のガラス窓、山居橋のコンクリートの基礎部分など、あっという間に幕末の風情に目隠ししてしまうさまは、まさに圧巻でした。巨大な水門風のセットを川に浮かべたり、人夫の休憩小屋をしつらえたり、大八車や大小の防火桶、舟荷に見立てたたくさんのこおりを準備したほか、果ては庄内町清川の第8漁協から平底の河川用の和舟10数艘を陸送し、かつて庄内米を回船した小鵜飼舟に擬装したり、冬の季節感を演出するため鳥海山麓からダンプカー30台分もの雪300トンを持ち込んだりと、たった5つのシーンの撮影の陰にはかなり大がかりな作業が。ナマでお見せできないのが残念です。
山居倉庫での撮影に全面協力したJA全農庄内も、「物語の伏線となる重要な場面だけに、建設から113年が経つ山居倉庫の佇まいを背景に、すばらしい映像が撮れたはず。今から来年の公開が楽しみ」と期待を寄せています。
日本での「SILK」の公開は、来年のカンヌ映画祭に合わせ、全国の劇場100か所ほどで上映される予定です。お楽しみに。
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「SILK」は、「ロード・オブ・ザ・リング」などを手がけた米大手映画会社ニューラインシネマが、30億円を投じて制作、配給し、2007年5月のカンヌ映画祭への出品をめざしています。原作は日本でも大ヒットした「海の上のピアニスト」を書いたイタリアの人気作家、アレッサンドロ・バリッコ氏。
19世紀後半のヨーロッパで謎の病気が蚕に蔓延したため、エルヴェ青年がフランスに妻を残したまま美しい糸を吐く蚕を求めて世界じゅうを旅し、幕末の日本にたどり着くというストーリーで、やがて片田舎の山村で知り合った美しい日本人女性に魅かれてゆくというもの。イタリア国内で96年に刊行され、ベストセラーとなりました。
主演のエルヴェ役にマイケル・ピット、日本側キャストとして山村の絹富豪・原十兵衛役に役所広司、日系マダム役に中谷美紀。メガホンを執るのは、「レッド・バイオリン」でアカデミー賞音楽賞を受賞したフランソワ・ジラール監督と、豪華な布陣です。 |
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